ジャパニーズイングリッシュでいいから
新型コロナの影響で、日本国内でも緊急事態宣言が出されたのは6月頃でしたか。日本だけでなく世界中が閉塞感で一杯でしたね。
そんな中ワタシには、沈んだ気分を紛らわせるために毎日熱心にやり続けたことがあります。それは「英語の学び直し」です。
多くの日本人と同じく、ワタシは日常的に英語が不要な生活を送っています。そのために、学生時代に懸命に覚えたはずの英単語も文法もすっかり忘れてしまい、未だに英語が話せないまま。
日本に来日する外国人の中には、こちらがビックリするくらい日本語が堪能な人も増えてきているようですね。羨ましい限りです。
ただ彼らを羨ましがっていても英語力が身につくことはあり得ません。座って待っていても、誰も私に英語を教えてはくれたりしません。だから、ずっと以前に保存していたTOEIC用の短文教材を使って勉強することにしました。
学生時代、ワタシの身の回りに外国人は皆無でした。同じ学区に何人か居たようですが、彼らはナショナルスクールに通っていました。ワタシの通う学校の先生が話す英語の発音は、とても怪しかったですね。無理もありません。先生方が学生の頃はワタシの頃以上に、日本で外国人と交流する機会は無かったでしょうから。
多くの日本人が自信をもって英語を話せない理由の第一位は、間違いなく「正しい発音が苦手」だからでしょう。苦手も何も、正しい発音を教えられる人がいないのだから仕方ありませんよね。
今年に入ってワタシが初めて知った単語の発音の一つに「been」があります。be動詞の過去分詞形です。これの発音をワタシはずっと「ビーン」と読んでいました。
正しくは、「ベェーン」だそうです。(bとvの発音も違うらしいので注意が必要です)
そのくらい、日本の学校でのエーゴ教育は発音・発話に重点を置いていないんですね。ワタシは英語で外国人と会話したことがないので、彼らの前で恥をかく前に「ベェーン」だと気づくことができて幸いでした。
でも、正しい発音に自信が持てないからと、いつまでも自ら会話に参加しない人がいるなら、もったいない気がします。なぜなら、ここは日本ですから。
英語を母国語とする国を訪れて「ビーン」と発音すればバカにされそうでも、ここは日本ですから。間違えたことをバカにされたところで「だって、ここ日本だからビーンでも分かるでしょ、ベェーンなんて習ってないもん。」と開き直ればいいんです。
ワタシなら、今後さらに50年間も生きないだろうし、何回話すか分からない英語の発音ごときで批判されたくもない。そんな風に開き直ることもできますよ。だって本来、日本で生活するのに英語は不要ですから。
英語は不要と言いながら、ではどうして今更英語を学び直そうと思ったのか。それは、年を取っても成長し続けたいからです。
ワタシも例外なく、加齢から来る「老い」を少しずつ感じるようになってきました。辞書に書かれた小さな文字を見るのに虫メガネが必要になり、恥ずかしながら物覚えも悪くなりましたね。
新型コロナのせいで、日本経済の先行きも怪しくなっていますから。これからは意識して自分の能力をアップデートする必要があると思うのです。その必要性は、若い皆さんにも当てはまるはずですよ。
その一環として、ワタシは英会話力の習得を目指すことに決め、現在も続けています。ただし発音は・・・ジャパニーズイングリッシュのままで。
以前YouTube動画の中で、日本人は発音を気にしすぎているけれど、間違えてもいいからどんどん話した方が良い、と言っていた外国人がいましたよ。
その人は英語を母国語としない国の女性でしたけど。ジャパニーズイングリッシュの発音でもカッコ良く聞こえるのだとか。日本にも47都道府県に「お国ことば」があるように、世界中の「外国人」がネイティブの英語を話すわけではないですから。だから良いんですよ、ジャパニーズイングリッシュのままでも。
でも案外、日本人の多くが英語で話そうとしたがらない一番の理由は、「ネイティブの発音にこだわる日本人の存在」だったりするんじゃないですかね?
ワタシにとっては、まずそれです。何か違う発音をするたびに、いちいち発音の間違いを正そうとする、そんな「完璧主義の日本人の存在」が一番の障害物となりそうです。
ひょっとすると、日本人にはこういうタイプの人が多いかも知れません。自分が既に出来ることに手こずっている人を見ると「格下扱い」したがるタイプ。あるいは事あるごとに間違いを指摘してくるタイプ。
でも、ワタシにはすでに決めた「英語力習得のゴール」があります。それは、相手の話す英語を何とか聞き取って、自分の言いたいことを英語で表現できること。それが私の決めたゴール。(正しい発音ができないのに、相手の話す言葉が聞き取れるかは疑問ですが・・・)
先の「been」について言えば、
I have been~の後に続く内容から、「ビーン(種)」の話をしているのか「ベェーン(現在完了形)」と言ったのか推測できますよね?
ネイティブのように発音できない人は、人前で英語を話すべきでないと考えるのは、きっと日本人だけです。マスク警察や自粛警察にも通じるんじゃないでしょうか?
さて、ワタシが現在もっとも意欲的に取り組んでいるのが「リーディング」です。正しく発音された英文の音声教材も「リスニング」していますが、一番は「リーディング」です。
なぜなら最終的にワタシは「英会話」出来る人になりたいからです。単語を知っている人や、黙読で英文を読める人になることを目指していません。だから、自分で英文を発音して読む「リーディング」を主体にしています。
リーディング主体にする少し前までは、そこに出てきた意味の解からない単語を書き出して、集中的に覚えるために時間を割きましたけど。それらの大半の意味を覚えたのでリーディング主体に切り替えました。自分の習得度に合わせて、勉強方法を変化させましょう。小さな目標を立てて少しずつでも成長を実感するように。
ワタシの現在の状態は、単語を目で追いながらどうにか英文を読めるけれど、瞬時に意味を理解することはできないレベルで・・・。発音した後でもう一度英文を読み返して、あ~そういう意味かと。
瞬間英作文という、簡単な日本文を見て英語に訳すことなどはまだ出来ません。また、英語で考えながら英語を話すことも、まだ出来ないですね。先は長そうです。
でも、ワタシは今度こそ挫折しません。初めて英語に触れてから40年も経つのだから、未だに英語を話すことが出来ない自分に腹が立つくらいです。
何でも一心不乱に取り組めば、プロは無理でもセミプロくらいにはなれると信じます。自分にはこれしかないと思えば、やらざるを得ません。日本の英語教育制度がもっと良かったら、今頃こんな苦労しないで済むんですけど。
ただ、外国語を話す機会がほとんどない日本で、せっかく身に付けた英語を忘れずにいる自信はありませんけど、向上心は失くしたくないものです。
ではまた。