2019年度の卒業生のみなさんへ

2020/03/24

その他

2019年度の卒業生のみなさんへ


新型コロナウイルスの感染被害が原因で、日本中の小・中・高等学校の卒業式が例年のように開催できなくなったというニュースを見ました。

2019年度の卒業生のみなさんへ
2019年度の卒業生のみなさんへ

学校を卒業する時期が近付くにつれて、学校生活での様々な体験が懐かしく思えたことでしょうね。ワタシもずっと昔に経験しました。なぜか最後の一年間は、妙にクラスメイトとの距離が近くなったことを覚えています。


特に三学期に入ってからは、もう学校に来て先生や友人たちと同じ時間を過ごすことは出来なくなるのだという、寂しい気持ちになった人も少なくなかったでしょう。


本来なら残り数か月間は、学校で過ごす一日一日を大切に過ごすことだけに集中したくなるところなのに、新型コロナウイルスの感染被害が拡大したせいで、日本全国の学校で登校自粛になったとも聞きました。


ほとんどの卒業生さんたちにとって、何ともやり切れない「卒業シーズン」となったことでしょう。とても残念な気持ちで一杯だと思います。小学校も中学校も高等学校も、卒業式はそれぞれ一度きりの体験なのですから。


しかし逆に、このような時期に学校を卒業した皆さんは、忘れられない貴重な経験をしたとも言えるのではないでしょうか?


おそらく皆さんの周囲にも、新型コロナウイルスに怯えてマスク等を買い占めに走った大人や、またそれらに高額な値を付けて転売することで、お金を稼ごうとした人々がいたかも知れません。そんな心の貧しい人々の行動など、見たくなかったことでしょう。


皆さんは、そのような大人になっていきたいですか?彼らを見習って、同じように自分の利益だけを優先させて他人を蹴落としますか?この国を、人の住めない社会にしたくはないですよね。


学校の卒業式が正常に行われなかった記憶と一緒に、この数か月間に起きた出来事を忘れないで欲しいのです。決して「自分さえ良ければ」という大人にならないために、現在の出来事を忘れないことが大事なのです。


ただし、犯罪者は生まれつきの悪い奴らだという、「善か悪か」だけで判断しないことにも気を付けて欲しいと、ワタシは思いますよ。


あなたは自分のことを善人だと思いますか?あなたは優しい人ですか?自分のことを「善人で優しい人」だと思えるのには、何らかの理由があるはずですよね。


あなたが善いことを好み、優しい人になったのは、きっとあなたの周りに「善い人・優しい人」がたくさんいてくれたからだとワタシは思うのです。そのくらい人という生き物は、周囲の影響を受けやすいのですから。


新型コロナウイルスによってあぶり出された「自分さえ良ければ」という人々には、逆のことが彼らの周りでずっと起きているのかも知れません。彼らの行為が「善か悪か」、その一面だけを見て人を判断しないで欲しいのです。


卒業式とは、人生の1ページとも言える大事な出来事です。あなたが何才であっても、きっと「人生」という言葉の意味を一瞬でも考えたりしたことでしょう。


人生は一度きりです。あなたが何を大事と考えてどんな行動をしたか、その内容次第であなたの人生の価値が決まってしまいます。


人は常に何かを残しながら生きています。それを人々は「遺産」と呼びます。あなたがこれからどのような人生を歩んでいくにせよ、どうか自分にも周囲の人々にとっても価値のある人生を築いてください。誰もが周囲に影響を与える存在であることを、どうか忘れずに。そんな、心に沁みるいい話をしたところで、


この度はご卒業、おめでとうございます。


ではまた。

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